「自分が心から願う目標に邁進でき、天から与えられた才能を存分に発揮できる人こそ、最も幸福ではないかと私は考えてきた。私にとってそれは成功の定義でもある。」 p.I
『ウイルスバスターの冒険』(2000 S.チャンら)より
ウイルスバスターに限らず、ウイルス対策ソフトにあまりいい印象をもっていないのですが、嫌いなものほど勉強しよう、ということで手に取った本。
ウイルスバスターを作ったトレンドマイクロは台湾出身のソフトベンチャーだったのですね。今でこそ当たり前に存在するが、ウイルス対策ソフトにも黎明期があったわけです。
上記のはじめの一文から心惹かれました。PR的な要素もあるので割り引かないといけませんが、ここに描かれるスティーブ・チャンのハングリーな気質には憧れます。
(野心について)
「学業を中途で放棄することには絶対反対だった」 p.45
「彼の興奮した様子を見ているうちに、私も急にふっきれた―修士号や博士号なんかどうでもいい。夢があるならそれを追求しなきゃ」 p.45
「スティーブは安穏の中にあってもつねに志を忘れない態度を貫いてきた。アメリカでの生活が安定し、家賃と健康保険と節税に心を砕いているうちに野心が摩滅してしまうことを何より恐れた」 p.45
『ウイルスバスターの冒険』(2000 S.チャンら)より
生活の安定を求める中で、はじめに持っていた野心がすり減ってしまうことは多い。常にナイフを研ぎ続ける人でありたいものです。
けっこうおもしろいです。興味があれば、読んでみてください。
ウイルスバスターの冒険―トレンドマイクロ創業物語